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夏のある日、嵐がやってきた。
テレビのニュースは、嵐の大きさをことさら騒ぎ立てていた。
あたしは部屋に閉じこもり、ただじっと外を眺めていた。
吹きすさぶ風、叩きつける雨。
白く煙る街の景色は、どこか幻想的で。
あたしに憂き世の物足りなさを忘れさせてくれた。
あたしが物足りないと思っているのは、
あなたがいないから。
ココに、たった今、あたしの側に、あなたがいないから。
あなたのことを考える。
あたしのたったひとりのヒト。
あなたにとって、あたしはたったひとりのヒトだろうか。
外は嵐。
いろんなモノが舞い散る風。
あたしの憂鬱も一緒に飛ばしてしまいたい。
そう思って、窓を開けた。
一気に吹き込む雨と風。
あたしの身体はびしょ濡れになった。
夏なのに、冷たい雨で、少しびっくりした。
だけど
本当にあたしを冷たくできるのは、あなただけ。
あたしを粉々に出来るのは、あなただけ。
ねぇ、あなた。
あたしを壊して。
粉々にして、この風に舞わせて。
もう何も考えなくてもいいように。
熱いシャワーを浴びて、
裸のまま、ベッドに横たわる。
あなたがあたしに触れるように、あたしは自分を触ってみる。
身体はすぐに熱くなるけど、あたしはどこか醒めている。
本当にあたしを熱くできるのは、あなただけ。
あたしを蕩々に出来るのは、あなただけ。
ねぇ、あなた。
あたしを融かして。
蕩々にして、この雨に流して。
もう何も考えられなくなるように。
電話が鳴る。
あなたの声。
あたしの身体はもう濡れ始めている。
それだけで。
たったそれだけのことで。
あたしの身体は、あたし自身は、もう
あなたなしでは何も感じることが出来ない。
テーマ : 女が書く、官能小説
ジャンル : アダルト
貴女のこのおハナシを、オレの頭の中のスクリーンで
映画のようなシーンにして見たら、とても切ないものに
なったヨ。タイトルがつけられない。
貴女の部屋の電話のベルを鳴らすのが、
このオレじゃないのが悔しいネ。
なんど読み返したことでしょう。
安っぽいレスがつけられません。
圧巻です。
ウルフさん、柏木さん、
まりあの切ない気持ちを表してみました。
夜になると、
時々、不安な気持ちがふくれあがってきて、
どうしようもなくなることがあります。
それははっきりとした形ではなく、
何とも形容しがたいモノで。
そう言ったものを「嵐の夜」として
表現したのですが。
切なさが伝わっただけで、
うれしいです。
でも、エロくなくて、ごめんなさい。(笑)