今回は、久々のアップです。が、まったくエロはありません。
ほんの少し、しんみりとしたお話をお送りします。
エロいお話をご期待の方は、スルーしてくださると幸いです。
その瞬間まで、わたしにとって彼は単なる同僚だった。
普通に、優しい、穏やかな雰囲気をまとった同僚。それ以上でもそれ以下でもない。
だけど。
その瞬間は唐突にやってきた。
あるプロジェクトの定例会議。
彼は、進行役の係長の隣に座り、わたしからは横顔がよく見えていた。
チームの誰かが何かを言ったとき、他の誰かが混ぜっ返して、
少し間延びした空間に軽い笑いが生まれた。
わたしも少しだけ笑った。
その瞬間、彼の笑った口元がわたしの視界に入った。
あ。。。
どきっとした。
もう忘れたはずの、だけど忘れられないあのヒトにとてもよく似ていたから。
わたしは彼から目が離せなくなった。
笑ったときの口元だけじゃない、目元も、笑い声でさえも、
あのヒトにとても似ていた。似ていると思った。
もう二度と会えないあのヒト。
もう二度とわたしのモノにならないあのヒト。
それに気づいたから、気づいてしまったから。
わたしは彼をいつも目で追うようになった。
彼がそれに気づかないわけがない。
私たちはお互いに微妙な距離感で好意を抱くようになっていった。
これは恋なのだろうか。
これは未練なのだろうか。
誰かわたしに、教えてください。