恋 4.
プロジェクトのチームで飲みに行くことになった。
少しおしゃれな居酒屋。
彼女のセレクトだ。
私は何気ない風を装って、彼女の隣に座る。
彼女が気づいて、「あら?」という表情を見せる。
「いいですか?」言葉少なに許可を得る。
彼女はまたあの笑顔で答える。
隣の席で、彼女の話に耳を傾ける。
楽しい。
おもしろい。
そして、愛おしい。
そう思う自分に、思わず動揺して、
手元のグラスを一気に飲み干した。
「次、何にします?」
彼女がメニューを手にして、私に顔を寄せる。
ドキッとしたが、そんなことおくびにも出さずに、
「何を飲みましょうか。」
彼女の髪から良い香りが漂ってきて、
私をその場に居たたまれない気持ちにさせた。
彼女を抱きしめたいと想った。
こんなふうに願うのは、許されないことだろうか。