恋 3.
好きな人が、できました。
あるプロジェクトで一緒に働くことになりました。
毎週金曜日、約1時間のミーティングで同じ時間を過ごすのです。
あのヒトの優しげな声を聴くのが楽しみです。
今日も会議中、わたしはそっとあのヒトの横顔を盗み見ます。
そしてあのヒトの唇から、言葉が紡がれるのをじっと待っています。
あのヒトは資料に視線を落としたまま、
その片隅に何かをメモしていて・・・。
何を考えているのかしら・・・
わたしがあのヒトのことを想っているなんて、
きっと知らないわね。
そんな事を考えると少し寂しいです。
ほんの少しだけ、
こうしている時や仕事の合間、
ふとした瞬間にわたしのことを想って欲しいのです。
会議中、ほんの少し顔を上げて、わたしを見つめて欲しいのです。
もし叶うなら、二人でいろんな話をして、
あのヒトの優しげな声を独り占めしたいのです。
こんなふうに願うのは、許されないことですか?