まりあが交通事故にあったのは7月の半ばだった。
自転車で横断歩道を渡っているときに、左折してきたオートバイと接触した。
たいした怪我はしなかったけど、
それでも安静が必要で、入院することになってしまった。
夫は、普段から自分のことは自分でやる人だったから、
まりあが入院することで、そんなに困ることはないだろうと思っていたのだけれど。。。
入院生活も1ヶ月を過ぎると、退屈で堪らなくなる。
最初のうちは、あちこち体中が痛かったけど、
今はもうそんなこともない。
4人部屋で同室の他の女性とも何となくうまくやっている。
まりあの隣のベッドの女性は今日が退院日だ。
彼女は左足首の骨折だったらしく、退院とはいっても松葉杖をまだついていた。
そのあとに入院してきたのは、まだ20歳くらいの若い女の子だった。
「よろしくお願いしまぁす。」
にっこり笑って、明るく挨拶する彼女。
何だか、仲良くなれそうだった。
「階段から落ちてぇ、捻挫しちゃったんですぅ。たいしたことないんですけどぉ。」
少し語尾をのばしてしゃべるのが、最近の子らしいと言うかなんというか。。。。
彼女のところへは、毎日お見舞いがやって来た。
たいていは同級生の女の子だったが、彼氏らしい男の子も混じっていた。
ある日。
まりあがリハビリを終えて部屋に戻ってみると、彼女のベッド周りのカーテンが閉じていた。
他の二人は、どこに行ったのか、部屋にいない。
寝てるのかしら・・・
そう思って、まりあは自分のベッドに横になった。
少し寝よう。
まりあもベッドの周りのカーテンを閉じた。
「・・・」
あら?
何か物音が聞こえる。
ガサガサ・・・ギシッ・・・
隣のベッド・・・
「・・・・あんっ・・・んんっ・・・」
え?
「・・・っと・・ほら・・・・・・けよ・・・」
「・・・ダメンッ・・・ンンッ・・・・」
もしかして・・・。
ギシッ、ギシッ、ギシッ、ギシッ・・・・
「・・っ、あっ・・・んっ・・・はぅっ・・・」
この声・・・・ヤダ・・・病室で・・・・
まりあの脳裏に彼女の笑顔と彼氏の少しくらい表情がいっぺんに蘇った。
「・・・ぅぅ・・・・あんっ、んんっ・・・んふっ・・はんっ・・・」
良く耳を澄ますと、いやらしい水音まで聞こえてきそうだった。
そうでなくても、パンパンと乾いた音がする。
「くっ、ううっ、・・イクぞっ・・・」
男の子の声がした。
「・・・やんっ・・・そ、そんなにしたら・・・・アンッ、あ、あたしもぉぉぉぉぉ」
ウソッ・・・ほんとにっ・・・・
「ぁぁぁぁ、ぁぁぁ、ぁぁぁぁ、ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
堪えていた喘ぎ声がついにたまりかねて、溢れてきた。
それほど大きな声ではなかったけど、まりあの耳には大きすぎるくらいの響きだった。
まりあは布団をかぶって、胸の鼓動を聞いていた。
「ふふふっ・・・もうっ・・・ばかっ・・・」
彼女の満足げな忍び笑いをする声が聞こえてきた。
「だって、もう1週間も我慢してたんだからさぁ。」
男の子の答える声がする。
「浮気されるよりはましかなぁ。。」
彼女がまた笑う。
「そうさ。・・・また来るよ。・・・・またやろうぜ。すっげぇ、興奮した。」
「ほんと。スッゴク感じちゃった。」
チュッ、チュッ、チュゥゥゥゥゥウ
「んんっ・・・・んふっ・・・」
また始まっちゃうの?
まりあはようやく治まりかけた動悸がまた少し激しくなった。
「もうっ・・・ダメよぉ」
甘えた声で彼女が拒絶する。
「下まで送っていくね。」
パタパタとスリッパの音を立てて、二人が出ていった。
病室で・・・・しかも4人部屋で・・・・・
他人のセックスを覗き見たのは初めてだった。
見た、わけではないけど。
聞いた、だけだけど。
まりあの身体も熱を帯びていた。
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