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夢のひと雫
時々更新が滞りがちですが、結構楽しみながらやってますので、皆さんが楽しんでくれたらうれしいです。
恋文
あなたが幸せならば、それでいい。
あの日、私はそう言ったけれど、それは本心ではなかった。
本当は私があなたを幸せにしたかった。
だけど人ならぬ身である私には、それは口が裂けても言えない言葉だった。
だけど、聡明なあなたは気づいていたのだろう。
あなたは少し微笑んで言った。
ええ、あたしは幸せよ。
私が恋して止まぬ微笑みだった。
さぁ、今夜が最後なのよ。あなたの好きにしていいわ。
あなたがそういって、月明かりに光るストッキングに包まれた足を
私の目の前に差し出した時、
私はこれまででいちばん欲情してしまったのだ。
深くスリットの入ったロングタイトスカートは、
太腿までを露わにし、ガーターのレェスが私の欲情を刺激した。
私はあなたの足元にすり寄り、そのいちばん柔らかな内腿へといきなり口を付けた。
いつもならば・・・
爪先に口づけし、それからゆっくりといたぶるようにふくらはぎを舐め回し、
さながらメインディッシュを待ち望むかのように、
内腿へさっくりと牙を立てる。
そしてそこから走る乱れた線に舌を這わせて、私の唾液を塗り込めるように
あなたの足を陵辱するのが、いつもの私のやり方だった。
今夜が最後・・・・
そう思った瞬間、私は自分の心の奥底にあった深い深い欲望に気づいてしまったのだ。
処女の生き血が一番の御馳走なのだよ。
そう言葉にして誤魔化していたけれど、本当は。
誰よりもあなたを欲していたのだ、私は。
アウッ・・・・
いつもと違う私のやり方に、一瞬戸惑うような表情を見せたあなたは、
すぐに冷静さを取り戻した。
そしてその聡明な瞳の中に、青く光る劣情の炎を見せたのだ。
あなたも私と同じ気持ちでいる。
それが私に勇気を与えた。
私は初めて、あなたの足以外の部分に触れた。
私の右手はあなたの頬を撫で、それからゆっくりと服の上から乳房を撫でた。
はぁぁぁぁぁぁ・・・・
深い吐息とも喘ぎともつかぬ声があなたの口から漏れた。
私は自分の欲棒をはっきりと感じた。
あなたの内腿に舌を這わせながら、さらにその奥の泉を目指した。
あなたの手が私に触れた。
そんなことも初めてだった。
あなたの手は私の喉からシャツのボタンへと移動し、ひとつひとつボタンを外していった。
私の素肌にあなたの手が触れた時、一瞬戸惑いを見せた。
人外の身である私の体温は常から低い。
その冷たさに一瞬、怖じ気づいたのだろうと思った。
もしかしたら・・・ダメかもしれない。
でもすぐにあなたは私の素肌に指を這わせた。
あぁぁぁぁ・・・・
私の身体にあなたの熱情が染み渡ってきた。
私の指もあなたの服を脱がせ、直にあなたの乳房から腹部へと移動していた。
あなたの泉からわき出る淫蜜は濃厚な匂いを漂わせ、私を酔わせた。
私はひたすらにその泉を追い求め、ついには滴り落ちる雫を味わうに至った。
あんっ・・・あぁぁぁっ・・・・・
今までに聞いたことのないほどの艶やかな喘ぎ声が漏れた。
私たちはそっと身体を合わせた。
あなたは私の上に覆い被さり、ゆっくりと腰を動かした。
こうする方があなたにとって負担が少ないやり方だと私は知っていたから。
そういうことを知っているほどに私は長く生きすぎていた。
私はあなたの白い乳房に牙を立てた。
ほんのりと若い白ワインのような鮮烈な芳香を放っていたあなたの血潮は、
次第にその香りと味を変え、
芳醇な赤ワインのそれへと移っていった。
次第にあなたの動きが滑らかになる。
首を仰け反らせて、高い声で喘ぐ。
私の腰のところで熱い暴発が起きそうな気配がした。
だけどもう少し。
いやもっと、もっと、ずっと。
あなたのことを味わっていたいから。
私はそっと身体を起こすと、あなたを組み敷いた。
牙を抜いたそこからは二筋の赤い流れがあなたの肩へと走った。
もっともっとまろやかで艶容な薫りにそれが変わるように。
私はあなたにそっと口づけた。
深く深くあなたを抉りながら、私の恋心は封印されていく。
