夢のひと雫　わたしの部下たち～まりあの憂鬱　＜僕の上司・番外編＞

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わたしの部下たち～まりあの憂鬱　＜僕の上司・番外編＞

わたしはまりあ。
かなり仕事は出来るほう、と自分では思っている。
確かに、女性でたったひとり、部長職についているし、
それなりに部下もいたりして、がんばってるし。

手元の資料に視線を落とした。
先週の研修会に出席した柏木くんの報告書だった。
読みながら、はぁぁ。
思わずため息が出た。
柏木くん。
仕事は真面目にやるんだけれど、いつもどこか上の空で。
今日もわたしの頭痛の種。
「柏木くん、ちょっと。」
ビクンッと椅子から立ち上がり、そそくさとわたしの前にやってくる。
叱られると分かっているはずなのに、
どこかうれしそうな雰囲気を漂わせて。
わたしが彼の失態を様々に責めている時間、
彼はわたしの足下をじっと見つめている。

あぁ、いつだったか。
あの日以来。
夜、パソコンがトラぶったと自宅に電話がかかってきた。
あの夜。
わたしは柏木くんに請われて、会社へとやって来た。
困っている部下を放り出せるほど、冷たい上司ではない。
一連の作業が終わったとき、彼はわたしの足下へ跪いていた。
「何してるの？」
と声をかけたら、いきなりわたしの脚にしがみついてきた。
本能的に「ヤバい」と思ったけれど、遅かった。
「スミマセン、スミマセン」と呪文のように口にしながら、
わたしのストッキングに唇を寄せ、唾液を染みこませながら、陵辱された。
あ、いや、もちろん。
わたしも楽しんだのだけれど。
それ以来。
柏木くんの脚にまとわりつく視線は、わたしに快感を呼び起こす。
こうして彼を叱った後、わたしのショーツはイヤらしい汁で汚れているのだ。
でも。
自分から彼を誘ったりはしない。
だって、わたしは貞淑な妻だから。
あの夜だって、わたしは抵抗したのに。
彼が無理矢理・・・。

無理矢理といえば、山崎くん。
彼には本当に驚かされた。
反省文でも書かせれば、自分の何が悪くて、失敗したのかが分かるだろうと思った。
それなのに。
彼は、怒り狂い、わたしをレイプした。
この部屋で。
神聖なはずの仕事場で。
わたしをこの机に組み敷いて。
あぁぁ。
思い出すと、身体の奥が痺れるように熱くなる。

柏木くんに次の仕事を与えて、手元の資料に目を落とす。
今頭の中をよぎっていた、山崎クンの仕事。
はぁ。。。
ため息しか出ないような報告書だ。
これでは何が何だか分からない。
わたしは山崎クンを呼んだ。
頭をかきかき、わたしの前にやってくる。
「これじゃ何が何だか分からないわ。」
「スミマセン。」
山崎クンの視線は、わたしのブラウスの胸元をゆらゆらと揺れる。
ったく、どこを見ているのよ。
ちゃんと真面目に話を聞きなさい。
そう思うけれど、あの夜のことを思い出すと、
わたしにも隙があったのかしら、と心配になる。
「もういいわ。」
「・・・あの・・・反省文・・は？」
「え？」
少しにやけたような表情で山崎クンが言う。
「・・・出さなくていいですっ」
わたしはキレそうになるのをようやく抑えて言った。
ったく。
何を考えているんだか。
はぁぁぁ。

ため息をついていると、目の前に紅茶が運ばれてきた。
アールグレイの香りがイライラした気分を吹き飛ばしてくれそうになる。
「あら、ありがとう。」
ニッコリ微笑んで顔を上げると、美由紀が目をハート形にして立っていた。
「部長、お疲れですか？」
「・・・大丈夫よ。」
この子はもう・・・。
「少し肩をお揉みしますぅ。」
そう言って、わたしの背後へと周り、肩に手をかけた。
思ったよりも強い力でグイグイと揉まれて、思わず声を出してしまった。
「あぁ、いい気持ち・・・。」
「もっと、気持ちよくしてあげますわ。まりあお姉様。。。」
最後のところは耳元で囁いただけだったけど。
誰かに聞かれたらどうするのっ！！
そう、美由紀はレズだったのだ。
正真正銘の。
相談があるからと、うちにやってきて。
告白されて、迫られて。
ついつい・・・。