詩歌
オレンジ色に輝く東京タワー
夜の闇に そこだけ暖かく
遠くで車の喧噪が 違う世界のような音を立てて
薄暗い公園を歩く 私たちをようやく現実に引き留めていた
あなたは 少し興奮したように 早口で話し
私はそれを頷きながら 聞いていた
愛しいヒト あなたを愛して 私は変わったのよ
あなたとの最後の逢瀬は いつまでも私の心の中
綺麗な東京タワーのライトのように キラキラと輝いて
そのあとに続く 悲惨な別れを 薄れさせる
だから
いつまでたっても私 あなたのことを 忘れられない
夜の東京タワーを眺めながら 今は別な男の腕に抱かれる
今はこの人を愛している私
でも 次の瞬間には 私は誰を愛しているの?
次々に 入れ替わる男達
そのすべてをその瞬間 愛していたと言えるのだろうか?
私が本当に愛したのは誰?
私が本当に愛されたのは誰?
そしてそれはいつのこと?