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We lost our way. (01)


「まりあさん、アウトドアに興味ありませんか?」
そう言ってデートに誘われたのは、先週末。
最近、ちょっとイイなって思う取引先の土井さんに興味もあって、
二つ返事でOKした。


「まりあさん、アウトドアに興味ありませんか?」
そう言ってデートに誘われたのは、先週末。
最近、ちょっとイイなって思う取引先の土井さんに興味もあって、
二つ返事でOKした。

そしてその日。
朝、まりあのマンションに土井さんが車で迎えに来た。
オフホワイトのSUV。
少し泥で汚れているところが、彼のアウトドア好きを物語っていた。
「ちょっと遠くまで行きますけど。大丈夫?」
「ええ。」
「キャンプする予定なんですけど・・・。テントで。」
「テントに寝るなんて初めて。楽しみです。」
初めてづくしのアウトドア体験にまりあはワクワクしていた。

もうとっぷりと日も暮れて・・・それなのにまだキャンプ場に辿り着かない。
さっきから何度も土井さんは「ごめんなさい。」を繰り返し、
地図を上に向けたり下に向けたりしている。
「大丈夫ですか?」
まりあも心配になって、土井さんに声をかけた。
「ごめんなさい、まりあさん。どうも道に迷っちゃったみたいで。」
そんなことは分かってるけど。
「いいんですよ。少しのんびり行きましょう。」
ニッコリと微笑んでみる。
そうすることでまりあ自身もちょっと気分が楽になった。
「じゃあ、この道を真っ直ぐ行ってみましょう。」
土井さんも少し安心したように笑って、車を動かした。

「あらっ。灯りが見えますよ。」
まりあは暗闇の中でぽつりと光る何かを見つけた。
「民家かなぁ。。。ちょっと道を尋ねてみましょうか。」
土井さんもほっとしたような調子で、答えた。
近づいてみると、田舎の旧家、とでも言うべき立派なお屋敷だった。
門の前に街灯が点っていた。
ちょうどその真下に車を停めると、土井さんは「ここにいてくださいね。」と念を押して、
一人で門をくぐった。
門を観察すると、立派な表札がかけてあり、周囲は濃い緑色のツタで覆われていた。
表札の文字は少し霞んでいたが、「柏木」と読めた。

「まりあさん。」
ぼんやりしていると、土井さんが戻ってきた。
知らない男の人が付き添っている。
どうやらこの家の主人のようだった。
「キャンプ場はこの先らしいんですけど、夜中だと少し危ないところもあるらしくて。」
土井さんが言うのを引き継ぐように、
「よろしければ、今夜は我が家にご滞在ください。」
物腰柔らかな紳士、この旧家の主人である柏木氏が言った。

「田舎なものですから、何もおもてなしは出来ませんが・・・。」
恐縮するように笑顔を見せる柏木氏。
それでも立派なダイニングに幾種類ものお料理が並んでいた。
奥様と柏木氏のお母様らしい老女がせっせともてなしてくれた。
「どうぞ。お口に合うかどうか・・・。」
控えめに奥様が微笑み、まりあと土井さんはお料理をいただいた。
地酒を勧められ、土井さんが少し顔を赤くしている。
まりあも形だけ・・・・と断りつつも、お酒を戴いている。
ほんの少し酔った気がした。
隣に座って、和やかに微笑む奥様の足元は艶やかなストッキングで彩られていた。
確かに綺麗な奥様だけれど、こんな夜分にストッキング・・・?
それに何だか違和感を感じたのは、気のせいだろうか・・・。

「こちらのお部屋をどうぞ。」
そう言われて、まりあと土井さんは、客間に通された。
二つ並べてのべられた布団。
「あちゃぁ・・・、参ったなぁ・・・」
土井さんがちょっと困ったように笑った。
「仕方ないですよ。もう一つお部屋を頼む訳にはいかないですし。」
気にしませんから、とまりあは布団に潜り込んだ。
「ちょっと寝苦しいから・・・」
まりあはゴソゴソと布団の中で服を脱いだ。
上はキャミソールだけ。ブラも外して。
キャンプだから・・・と穿いてきたスラックスも脱いだ。
「ふぅ・・・少し楽になった。」
枕の脇に脱いだ服をゴチャッと丸めて置いておく。
「じゃあ、お休みなさい。」
まりあは土井さんにそう声をかけて、まぶたを閉じた。
「じゃあ僕も寝ようかな。」
そう言って土井さんが灯りを消し、布団に潜り込んだ音がした。

「・・・さん、まり・・・、まりあさんっ・・」
「ンン・・・・どうしたんですか・・・」
真夜中、土井さんに肩を揺すられて、まりあは目覚めた。
「何だか、奇妙なんですよ。」
土井さんはしきりに廊下を気にしている。
「気のせいですよ。」
まりあは眠くて、いいかげんな返事をする。
「いやぁ・・・それが・・・」
「ふぁぁぁぁ・・・もう少し寝ましょうよ。」
まりあは再び寝息を立て始めた。

次にまりあが目覚めたとき。
まだ外は真っ暗だった。
さっき土井さん、何か言ってたけど・・・・。
隣の布団を覗き込むと、そこには土井さんはいなかった。
あれ?
何処に行ったのかしら。
トイレかな?
布団の中でむっくりと起きあがる。
「ほほう、なかなか色っぽい格好ではないか。」
「え?」
耳元でそう囁かれて、まりあは一瞬動きが止まった。
「それに美しい。・・・・ふふふ、お前はいい趣味をしている。」
「まりあさんが驚いていますよ。・・ったく、不作法なんだから。」
今度は足元で声がした。
「なにっ、なにっ、なんなのっ・・・」
「そう驚くものではないのだがね・・・。」
「お静かに。まりあさん。この家の主です。」
静かに語りかけてくる人物に目を凝らすと・・・
あぁ、確かに柏木氏。
夕食時の穏やかな笑顔がそこにあった。
「なにを・・・」
「なにをしているのか・・・か。ふん、愚問だな。」
不遜な感じの話し方をする男は、相変わらずまりあのすぐ後ろにいるようだったが、
なぜかその気配を捉えることは難しかった。
「我が家のこれが・・・しきたりなのですよ。お客様をお迎えしたときの。」
「ど、土井さんは・・・?」
まりあは柏木氏に尋ねた。
「あぁ、彼は別室で、・・・ええもちろん、歓待されていますよ。」
「くくくっ・・・極上の歓待さ・・・」
「ぁ、あなたは・・・・誰?」
まりあは思い切って、もう一人の人物に声をかけた。
「ふふふ」
「その方は・・・わたしの古い友人です。」
代わりに柏木氏が答えた。
「では・・・歓迎しよう、まりあ・・・我が・・・友人の屋敷へ・・・・ようこそ・・・」
フワリと黒い陰がまりあを覆った。
「あっ・・・」
チクリとした痛みを感じた次の瞬間、言いようのない快感が溢れてくる。
「ぁ・・・あぁ・・・・・んあぁぁ・・・」
恋人にしか聞かせたことがないような甘い声がまりあの唇から漏れ出てくる。
「ほほう・・・・いい味だ・・・」
陰はまりあの首筋に食らいついていた。
まりあの布団がはぎ取られた。
「では、わたしも・・・」
柏木氏がまりあの素足に舌を這わせる。
「やっ・・・・アンッ・・・アァァッ・・・」
まりあの全身がビクンと震えた。
「滑らかな肌・・・・たまにはストッキングのない生足も・・・イイものですね。」
柏木氏はまりあのふくらはぎに唾液を塗り込めるように唇を押し付けた。
「んっ、あぁぁっ・・・」
ちゅるちゅるちゅるちゅるちゅる・・・・
普段は押し隠している己の牙で、柏木氏はまりあの肌に疵を付ける。
陰はまりあの首筋から離れると、キャミソールに牙を引っかけ、引き裂いた。
まりあの白く大きな双球がまろびでた。
乳首は固く尖り、ピンク色に染まっている。
陰は胸元にもサックリと牙を突き立てた。
まりあの中に再び激しい快感が生まれた。
「あぁぁぁ、いいっ・・・・あんっ、あぁっ、あぁっ・・・・」
まりあの嬌声が部屋中に広がる。
柏木氏はまりあのふくらはぎから内腿へと味わう場所を変えていた。
「淫靡な薫りが漂ってきましたよ。・・・そろそろこちらも・・・・味わいたいもので・・・・」
まりあのショーツを脱がせると、足を大きく拡げた。
「アッ、ダメッ、イヤッ・・・」
一瞬まりあが抵抗する。
しかし・・・。
陰の魔力か何か・・・・チュウっと吸われるたびに、まりあの中に生まれる快感が、
そんな抵抗をあっさりと取り払った。
「今夜は・・・俺が先に・・・・」
陰は柏木氏にそう告げると、まりあに覆い被さった。
やれやれというように、柏木氏はまりあから離れた。
「あんっ、あぁぁっ、あっ、あっ、あっ、あっ・・・あぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ」
柏木氏の中にもゾクゾクと快感が生まれる。
まりあの身体を揺らしながら、陰が快感を貪っている。

次はストッキングを穿いているところを味わいたいと柏木氏はぼんやり思った。

テーマ : 女が書く官能小説
ジャンル : アダルト

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