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星の彼方


友達に誘われて、駅裏の小さな雑居ビルへと足を踏み入れた。
よく当たると評判の占い師がいるのだという。
まりあは、友達に言われたとおり、黒いベロアのワンピースに身を包み、
ナイロンのストッキング(それも割と高級な)を穿き、
黒いピンヒールを履いていた。
古いビルでエレベーターなど無く、
不安定な足元を右手で壁を支えにして、
階段を上った。
カツカツと階段を上る足音が、階段室に響いていた。







雑居ビルにしては珍しい、木製の扉をノックすると、
涼やかな声が「どうぞ」と言った。
まりあは扉を押し開いた。
ヒンヤリした空気と甘やかな香りがまりあを包んだ。
それまでどこか緊張した面持ちだったまりあの表情がふと緩んだ。
「いらっしゃいませ。」
いつからそこにたたずんでいたのか、不意に声をかけられて、まりあは少しドキッとした。
声の主は、黒いスーツに身を包んだ美しい男だった。
「あ、あの・・・・」
「まりあさん、ですね。」
「は、はい。」
「伺っております。どうぞこちらへ。」
男に案内されて、部屋の奥へと進む。
ゆったりとしたソファ、窓は全て黒いカーテンで遮られているが、不快ではない。
おそらく間接照明でぼんやりとした明かり、それにこの匂いがリラックス効果を生み出しているのだろう。
まりあは指し示された位置へ腰掛けた。
20061008232027.jpg



「恋に迷っているとか?」
「・・・ええ、そうです。」
「恋人の心が分からない?」
「・・・はい。」
まりあは男の質問に答えながら、少し息苦しさを感じ始めていた。
「・・・んっ・・・はっはぁっ・・・」
「どうなさいました?」
まりあが苦しげに息をすると、それまでまりあの正面に座っていた男が
まりあの隣へと移動してきた。
「いえ・・・ンハッ・・・何でもありません。」
しかしそうは言うものの、まりあは少しずつ胸が苦しく喉の奥がからからに乾くような気がしてきた。
「香が・・・きつすぎましたかね?」
男はそう言うとまりあをそっと抱きよせた。
「なっ・・・」
拒絶しようとしたが、なぜか身体は動かなかった。
「大丈夫ですよ。」
男は呪文のようにまりあの耳元で「大丈夫」と繰り返した。
すると、それまで感じていた息苦しさが少しずつ消え、
その代わりに身体の奥にむず痒いような熱い感覚が芽生えはじめた。
「ンハッ・・・あぁっ・・・・」
「大丈夫ですよ。」
男はそう繰り返し、まりあのワンピースの上から、まりあの身体に触れた。
「アァァッ・・・ンンッ・・・・」
まりあは明らかにソレと分かる喘ぎ声を上げた。
男の手が身体の上を這い回る。
まりあは拒否する気持ちさえなく、ただ快感を感じていた。
男の手はまりあの双丘をゆったりと撫でさすった。
「アァッ・・・んふっ・・・・」
不思議と止めて欲しいという気持ちは生まれなかった。
理性に霧がかかったように、ただ快感に身体が痺れていった。
男の手は乳房から腹へと移った。
ゆっくりと太腿へと降りてくる。
ワンピースの裾ギリギリのところまで男の手が移動した。
それからまた腹の方へと上ってきた。
「ぁあっ・・・はぁッ・・ンンッ・・・」
まりあはされるがままになっていた。
ソファの背もたれにぐったりともたれかかり、ワンピースの裾もずり上がっていた。
まりあの白い太腿の半分以上が男の目の前に晒された。
「美しい脚だ・・・」
男はまりあの足元へと滑るように座り込んだ。
そしてまりあの太腿へ顔をグッと寄せると品定めをするように目を細めて、見た。
「ほほう・・・ストッキングの趣味も・・・・抜群ですね・・・・」
男はおもむろにまりあの脚に唇を寄せた。
「あっ・・・・」
まりあの身体がピクンと反応した。
男は舌にいっぱい唾液を纏わせて、まりあの太腿にそれを這わせた。
ネットリとした唾液が間接照明のなかでもきらきらと光っていた。
まるで何か粘液を垂らしながら、別な生き物が蠢いた後のようなそんな風情を醸していた。
「はぅッ・・・イヤらしい・・・」
舐められながらまりあが男を見た。
自分の太腿に残る唾液の道筋をうっとりした表情で眺めている。
男はさらに舌で脚を舐り続けた。
膝からふくらはぎへと移動する。
「んっ、はぁっ・・・いっ・・・ぁ・・・ぃ・・・・んんっ・・・」
意味のない喘ぎ声をただただまりあはあげ続けていた。
そのうちに、ピンヒールの足元はだらしなく開き、
いつの間にか靴も脱げていた。
男はストッキングの上から、まりあの足の指を一本ずつ、口に含む。
「美しい・・・本当に・・・美しい・・・」
男の言葉も呪文のようだった。
男もまりあに酔っているのだろうか。
脚を高く掲げられた。
ワンピースはもう既に何も隠していなかった。
黒いベロアのワンピースに合わせて選んだ黒いショーツ、黒いガーターベルト、
そしてまりあの白い内腿さえ、男の前に晒されていた。
よく見れば、黒いショーツのアノ部分は、しっとりと湿っていてさらに黒い色を呈しているのが分かるだろう。
まりあは脚を掲げられたまま、ふくらはぎを舐られていた。
男の長い舌がまりあのふくらはぎをはいずり回る。
奇妙な感覚がまりあに興奮と快感を与えていた。
「あっ、アァァッ・・はっ・・・ウゥッ・・・ンンッ・・・」
堪えようとしても堪えられない、イヤもう堪えようという気すら消え去っていた。
まりあは男の舌に翻弄され、ただただ快楽の海へと堕ちていった。
男はいつまでもまりあの脚をただ舐り続けていた。


恋に迷う心は誰にでもあります。
心配はいりません。
あなたが恋人を信じている限り、恋人はあなたを裏切りません。

ひとしきりまりあの脚を堪能した後、男は言った。
中途半端な快感にズキズキと苛まれながら、まりあは占い師の元を去った。


それから1ヶ月。
まりあは迷い続けていた。
占い師に何をされたのか、はっきり思い出せなかったけれど、
それは簡単に人に話せる行為ではなかったことだけ、
ぼんやりと脳の片隅に残っていた。
だから、そこを紹介してくれた友人から、どんな塩梅だったかを聞かれたとき、
うやむやな返事しかできなかったのだ。
でもどうしてももう一度、あの占い師に逢ってみたかった。
あの日の僅かに残る快楽の記憶がそうさせたのだろうか。
まりあは迷い続けて1ヶ月後、再びあの雑居ビルを訪ねた。

あの日と異なり、仕事帰りに寄ってみた。
しかしストッキングだけは、やや高級なものに履き替えた。
何となく、そうした方が良いような気がしたから。
扉の前で、躊躇していると、唐突にそこが開いた。
「いらっしゃいませ。」
男が薄くほほえみを浮かべて立っていた。
「あの・・・」
「占いをご希望ですね?」
男の言葉は疑問形だったが、Noと言わせる気はないのが良く伝わってきた。
まりあはただ黙ってうなずくと、男に導かれるままに部屋の奥へと入っていった。
先日とはまた違う香が焚かれているようだった。
やはり甘い香りだった。
しかし息苦しさはなく、少しずつ身体が熱くなってくるような感覚がした。
ol-p194.jpg



「今日は何を占いましょうか?」
「・・・・全てを・・・」
「・・・・」
男は何も答えずに、まりあに飲み物を勧めた。
ハーブティだろうか。
熱い塊が喉を通りすぎ、まりあのおなかの中に収まった。
それはいつまでも熱いままで、まりあの身体を奥から温めるようだった。
「・・はぁ、はぁ、はぁ・・・」
「暑いですか?」
「・・・ええ、とても・・・・」
男はまりあを抱き上げると、さらに奥へと連れて行った。

大きなベッドがあった。
まりあはそこに寝かされた。
「さぁ、それでは、あなたの全てを占いましょう。」
男は言った。
まりあは静かに目を閉じた。
20061008232121.jpg





テーマ : 女が書く官能小説
ジャンル : アダルト

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非公開コメント

良いです。感じてしまいます。
私は占い師になって、まりあさんの足に舌を這わせたい。

ちょっと取り込んでいて、久しぶりにネットに戻ってきてみたら。
あぁ・・・復活なさったのですね。ずっと気になっていました。ずっと、待ち望んでいました。
以前よりいちだんと、澄み透るような文体になったような。そんな気がいたしました。
よかった。
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    なかなか更新できないのですが、
    楽しんで書いていこうと思います。

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